医療の質向上と安全性の確保――その基本となるものがカルテなどの診療情報(診療記録)です。行政の指導・監査においても,病院機能評価などの第三者機能評価においても,診療記録の適切性は最も重要なチェックポイントとなっています。

本書は,医療機関の診療記録――カルテ,入院診療計画書,サマリー,チーム医療記録,検査記録,薬剤記録,リハビリ記録,看護記録,診療情報提供書,退院支援計画書,死亡診断書など――の様式・記載内容・管理方法が基準に適合しているか,必要十分な内容か,適切な表記かを院内で点検し,改善するためのマニュアルです。

診療記録ごとに必須記載項目を網羅した「チェックシート」(院内監査点検様式)を収録。全項目記載をクリアすれば,指導・監査はもちろん,病院機能評価やその他の第三者機能評価にも対応できるように作成してあります。チェック結果は評点として点数化されるので,前回の結果と比較することで,院内の「継続的改善」の取組みにも最適です。

第1章 用語の定義
1.診療に関する諸記録等 2.監査・検査・調査・点検・検証・評価

第2章 監査の目的・意義
1.監査の目的 2.監査の意義

第3章 監査点検用紙(点検票)
1.監査点検用紙(点検票)・監査項目について 2.監査点検用紙に関する法令・診療報酬上の根拠など

第4章 実施要領
1.監査チームの編成 2.監査する診療記録の量,目的・目標の設定 3.監査点検用紙(点検票)と項目の選択・監査する診療記録の抽出 他

第5章 集計・まとめ
1.データ入力 2.集計例 

第6章 報告と改善
1.報告書 2.改善までの手順 3.改善計画の立案 4.改善結果の評価